坪井香譲の文武随想録

時に武術や身体の実践技法に触れ、時に文学や瞑想の思想に触れる。身体の運動や形や力と、詩の微妙な呼吸を対応させる。言葉と想像力と宇宙と体の絶妙な呼応を文と武で追求。本名、繁幸。<たま・スペース>マスター

2017-01-01から1年間の記事一覧

踵(かかと)で呼吸する ― 理想の息へ

〈あまつかぜ〉― ラセン 円転動作と呼吸の融合 身体活動に欠かせない様々な側面が、この〈あまつかぜ〉には渾然一体として入っています。昨年、テキスト『身体を実感する―〈3R〉』でも触れた〈身体の文法〉の全てが、自ずと入っているし、これまで気流法で…

<腹・ハラ>という<原郷> ― その1

流れ動く絵姿のように……武原はんを訪ねた 私は、二十歳代の中頃、二年間程ある小さな出版社で小冊子の編集を受け持っていた。私の出す企画は、私自身がこれは、と思わされた職人、芸術家、スポーツマン、武道家などの工夫や訓練、創造のコツなどを本人から聞…

人間の原郷<ハラ・肚>と<フトコロ・懐> 2

<ハラ>ともののあわれ 前の章 1では、元来のタイトルに沿って<腹>または<肚>について書こうとしていた(以下、腹・肚を<ハラ>と表記)。 ところが、― 自分で後で気付いたのだが ― テーマは<詩>になってしまった。それには理由がある。 <ハラ>は…

人間の原郷<ハラ・肚>と<フトコロ・懐> 1

武道と瞑想と共に<詩>があった 私が若い頃に出会った二人の先生がいた。といっても学校の先生でない。それぞれ道場で指導していて、私が訪ねてゆき、数年以上、時には毎日のように出会い、とても親しく様々なことを教わった、瞑想と武道の師である。 瞑想…