ヒトが人間となった原点とされる「直立二足歩行」。遥か数百万年も前からこの二十一世紀まで、人類は歩き続けてきました。
人は直立二足歩行によって、道具の使用や言葉の獲得など…様々のことが可能になりました。そうした能力の獲得から、文化、文明も進展してきたとされます。とすれば、人間の立ち方、歩き方をとらえなおし、そのあり得べき原則があるとして、もしそれをとらえることができるならば、人間の個人の生活も、健康も、文化や文明のための活動や様式も根本的に洗いなおされ、新たな視点が導き出されるのではないでしょうか……。
足の裏と大地(床)が出会い、〈親和〉することによってこそ、人の〈歩く〉意味合いが出てくる。そのことは相当忘れられてしまっているのです…。あらためてそのことを問い直し、∞気流法の「身体の文法」に照らした稽古法<歩きの型>ができました。
・∞(無限記号、メビウスの環)状の〈やわらげ〉は、足の裏と歩き方にこそ活かされるものでした。
・なんと、宮本武蔵がこの歩き方のコツを説いている(『五輪書』)。
・足の裏が大地と〈親和〉すること。ナンバ歩きを伝える現代の研究者たちもそれについては触れていない。
・一歩一足、大地と出会う、そのプロセス自体が味わい深い芸術となる。それはつまり一歩一歩を
〈使い捨て〉にしないことです。
… 上記のようなことが実感されつつ、実現されてゆくための<歩きの型>です。
はじめた人の中には、足が暖かくなったとか、目がよく見えるようになった、姿勢が変わって足運びが楽になった、肚(ハラ)が少しできた感じがするとか、武術の技も劇的に変わった人もいます。このような身体的な変化だけではありません。
片方の足の裏は体表の200分の1。そこに人と地球(自然)との出会いも、立つことと歩行を根源とするあらゆる身体活動も、術、芸、表情、言語活動、思考、想像力でさえかかわってくるのです。
足裏の 広さに 人の立つ不思議
薬師寺の上 雲 流れゆく ( 福田光子 )
― 動物は動くから動物。でも、動くって何? そうすると人間の歩くって??? ―
<歩みの型>
∞気流法の型稽古「斜め浮足」と「〈あまなひ〉の足運び」による体捌き。坪井香譲@たま・スペース
<気流法やわらげの武>
20160409-1 坪井香譲@たま・スペース
<気流法やわらげの武>
20160409-2 坪井香譲@たま・スペース
<気流法やわらげの武《剣》>
20160409-3 坪井香譲@たま・スペース