前回の私のレクチャー「掌と心と言葉〜ヘレン・ケラーの目覚めから」に続いて、谷川俊太郎(詩人)、覚和歌子(詩人、作詞家)、坪井香譲(身体技法)による鼎談「ことばと生命の“今”を問う〜懐かしさの源流へ」を載せる。
私はイベント全体の企画に早々と「身体は脈動し、言葉は照射する」というフレーズを思いつき、チラシ(ポスター)の一隅に載せた。鼎談はそのフレーズにふさわしいものになったと思う。
私は講演「掌と心と言葉〜ヘレン・ケラーの目覚めから」で、言語と身体(生命)の可能性について述べる時、ヘレン・ケラーに象徴されるように、その可能性について追求する時は、その〈逆〉の不可能の現象を追求してみている。正(プラス)をとらえるには負(マイナス)をとらえることをした。
この鼎談でも、地震と原発事故という私たちが、日本が巻きこまれた負の中にも正の可能性を見つめようとしている展開がある。
とても面白いいくつかのテーマが出ている、と思う。それぞれについてあまり深入りして論ずることはできなかったが、想像力の扉はノックされたと思っている。
谷川さんには懐の広さと深さを今更ながら感じ、覚さんには、いわば「異種」の二人を結びつけるための意図を強く感じた。この「身体技法の探究者と言語の表現者の出会い」、試みる価値はあった、と私は思っている。ご覧になる皆さまはどうだろうか。
鼎談1/4 谷川俊太郎×覚和歌子×坪井香譲 「ことばとからだの“今”を問う〜懐かしさの源流へ
鼎談2/4 谷川俊太郎×覚和歌子×坪井香譲 「ことばとからだの“今”を問う〜懐かしさの源流へ
鼎談3/4 谷川俊太郎×覚和歌子×坪井香譲 「ことばとからだの“今”を問う〜懐かしさの源流へ
鼎談4/4 谷川俊太郎×覚和歌子×坪井香譲 「ことばとからだの“今”を問う〜懐かしさの源流へ
平成二十四年二月四日